歯ぎしり用マウスピース
(ナイトガード)と
スポーツ用マウスピース
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歯ぎしり用マウスピース(ナイトガード)とスポーツ用マウスピース(マウスガード)
日常生活やスポーツ活動において、歯や口腔内を保護するためにマウスピースの使用が注目されています。
歯ぎしりや歯の食いしばりを防ぐための「ナイトガード」と、スポーツ中の衝撃から歯や顎を守る「マウスガード」は、それぞれ異なる目的に合わせて作られます。適切なマウスピースを選び、使用することで、健康を維持しながら安心して日常生活やスポーツを楽しむことができます。
ここでは、それぞれのマウスピースの特徴やメリットについて詳しくご紹介します。
歯ぎしり用マウスピース(ナイトガード)
歯ぎしりとは
歯ぎしり(ブラキシズム)は、主に睡眠中に無意識に行われる顎の動きによって歯を強く噛み締めたり、すり合わせたりする行為です。
成人の約80%が歯ぎしりをしているとされていますが、これは自覚しにくく、家族などに指摘されて初めて気づくことが多いです。
歯ぎしりにかかる力は、起きているときに物を噛む力よりもはるかに強力で、歯が削れて知覚過敏になったり、歯周病が進行したり、詰め物やかぶせ物が外れたりと、さまざまな問題の原因となります。
こうした歯ぎしりのリスクを回避するためにおすすめなのが、マウスピース(ナイトガード)です。
歯ぎしりによるこんな悩みはありませんか?
歯の痛みや違和感
歯ぎしりをしてしまうことで、歯に強い力がかかり、歯の表面がすり減ったり、ひび割れが生じることがあります。
その結果、歯が敏感になり、冷たいものや熱いものを食べるときに痛みや不快感を感じることが多くなります。
顎の痛みや疲れ
歯ぎしりをすることで、顎の筋肉や関節に過度な負担がかかり、朝起きたときに顎が痛んだり、硬いものを食べるときに疲労感を感じることがあります。
長期間続くと、顎関節症につながることもあり、日常生活に支障をきたす場合があります。
頭痛や肩こり
歯ぎしりによって顎の筋肉が緊張すると、その影響が頭部や首、肩の筋肉にも広がり、慢性的な頭痛や肩こりを引き起こすことがあります。
特に、ストレスが原因の場合、症状が悪化しやすく、仕事や日常生活に大きな支障をきたすことがあります。
睡眠の質の低下
歯ぎしりが睡眠中に頻繁に起こると、深い眠りが妨げられ、睡眠の質が低下します。
これにより、朝起きたときに疲労感が残ったり、日中に集中力が欠けたりすることがあり、日常生活や仕事に影響を及ぼすことがあります。
歯の見た目の変化
歯ぎしりを続けることで、歯の表面が摩耗し、歯の高さが低くなったり、エナメル質が損傷して見た目が悪くなることがあります。
また、前歯が欠けるなどして、笑顔に自信を持てなくなることも悩みの一つです。
精神的なストレスや不安
歯ぎしりが長期間続くと、将来的な歯の健康への不安や、顎の痛み、頭痛などの慢性的な症状への不安が増し、精神的なストレスを感じることがあります。
特に、歯ぎしりの原因がストレスの場合、この悪循環がさらに症状を悪化させる可能性があります。
治療費や時間への不安
歯ぎしりによる歯や顎のダメージを修復するためには、定期的な歯科治療やマウスピース(ナイトガード)の作製が必要となることがあります。
これに伴う治療費や、歯科通院にかかる時間が気がかりとなり、治療を躊躇することがあるかもしれません。
歯ぎしりによってどのような健康被害が起こるか
歯ぎしりが続くと、以下のような健康被害が起こる可能性があります。
歯の摩耗
歯の表面がすり減り、敏感になったり、歯が割れることがあります。
顎関節症
顎の関節や筋肉に負担がかかり、痛みや顎の動きの制限が生じることがあります。
頭痛や肩こり
歯ぎしりによって生じる筋肉の緊張が頭痛や肩こりを引き起こすことがあります。
歯周病の悪化
過度な力が歯にかかることで、歯周組織に負担がかかり、歯周病が悪化することがあります。
歯ぎしり用マウスピース(ナイトガード)とは
歯ぎしり用マウスピース(ナイトガード)は、睡眠中に装着することで歯と歯が直接接触するのを防ぎ、歯ぎしりによるダメージを軽減するための装置です。
通常は、上顎または下顎の歯にフィットするように作られ、夜間に装着します。マウスピース(ナイトガード)は、個々の口腔内の形状に合わせて作られるため、快適な装着感が得られます。
歯ぎしり用マウスピース(ナイトガード)のメリット、なぜよいのか
歯ぎしり用マウスピース(ナイトガード)には、以下のようなメリットがあります。
歯の保護
歯と歯が直接接触しないため、摩耗や割れを防ぐことができます。
顎関節の保護
顎の関節や筋肉への負担を軽減し、顎関節症の予防や緩和に役立ちます。
睡眠の質向上
歯ぎしりによる不快感を軽減することで、睡眠の質が向上することがあります。
長期的な歯の健康維持
歯や歯周組織への負担を減らし、長期的に健康な口腔環境を維持することが可能です。
歯ぎしり用マウスピース(ナイトガード)のデメリット
一方で、歯ぎしり用マウスピース(ナイトガード)にも以下のようなデメリットがあります。
初期の違和感
装着に慣れるまでに時間がかかる場合があります。
不適合による問題
不適切なフィット感の場合、違和感やさらなる歯や顎の問題を引き起こす可能性があります。
定期的な交換が必要
長期間使用すると、マウスピース(ナイトガード)自体が摩耗し、効果が低下するため、定期的な交換が必要です。
歯ぎしり用マウスピース(ナイトガード)の作製の流れ
歯ぎしり用マウスピース(ナイトガード)の作製は、以下のステップで行われます。
STEP1 診断とカウンセリング
歯科医師が歯ぎしりの状態やお口の中の健康状態を確認します。
STEP2 型取り
個々の口腔内にフィットするマウスピース(ナイトガード)を作るため、精密な型を取ります。
STEP3 マウスピース(ナイトガード)の作製
型を基に、歯科技工所で患者さん専用のマウスピース(ナイトガード)を製作します。
STEP4 フィッティング
完成したマウスピース(ナイトガード)を実際に装着し、フィット感や快適さを確認します。
必要に応じて微調整が行われます。
STEP5 定期的なチェック
使用後の状態を確認し、必要に応じて調整や交換を行います。
歯ぎしり用マウスピース(ナイトガード)よくある質問Q&A
Q マウスピース(ナイトガード)の装着には慣れるまでどのくらい時間がかかりますか?
個人差がありますが、通常は数日から1週間ほどで慣れる方が多いです。
Q マウスピース(ナイトガード)を清潔に保つ方法は?
毎朝、マウスピース(ナイトガード)を外した後に水で洗浄し、定期的に専用の洗浄剤を使用して清潔に保つことをお勧めします。
Q マウスピース(ナイトガード)はどのくらいの頻度で交換する必要がありますか?
通常、半年から1年ほどで交換が推奨されますが、使用頻度やマウスピース(ナイトガード)の状態により異なります。
Q マウスピース(ナイトガード)を使用しても歯ぎしりが治ることはありますか?
マウスピース(ナイトガード)は歯ぎしりの症状を軽減するためのものであり、歯ぎしり自体を治すものではありません。
歯ぎしりの原因に対処することが重要です。
Q 歯ぎしり用のマウスピース(ナイトガード)は、保険適用されますか?
はい、歯ぎしり用のマウスピース(ナイトガード)は保険適用が可能です。
ただし、顎関節症などの診断があり、治療を目的としている場合に限られます。
保険適用の場合、患者様の負担額は通常3,000円から5,000円程度です。
スポーツ用マウスピース
スポーツ用マウスピースとは
スポーツ用マウスピースは、スポーツをする際に歯や口腔内を保護するために使用される装置であり、『スポーツマウスガード』や『マウスプロテクター』とも呼ばれます。
特にコンタクトスポーツや激しい動きを伴うスポーツでは、口腔内のケガや歯の損傷を防ぐことが重要です。
アメリカンフットボールやボクシング、ホッケーなどではマウスピースの装着が義務化されており、野球やレスリングなど多くのスポーツでも装着が推奨されています。
市販のスポーツ用マウスピースもありますが、市販品ではフィット感に欠け、ずれたり外れたりすることがあります。
これにより、顎の関節に負担がかかり、プレーに集中できないこともあります。
一方、歯科医院で作製するオーダーメイドのマウスピースは、歯の1本1本にしっかりとフィットし、さらにスポーツの種類に応じた適切なかみ合わせの調整が可能です。
これにより、最高の保護効果と快適さが得られます。
スポーツ用マウスピースのメリット、なぜよいのか
スポーツ用マウスピースには、以下のようなメリットがあります。
歯や顎の保護
スポーツ中の衝撃から歯や顎を守り、歯の折れや顎の骨折などの重大なケガを予防します。
口内の軟組織の保護
唇や舌、頬の内側を歯による損傷から守り、出血や裂傷を防ぎます。
脳震盪のリスク軽減
適切に設計されたマウスピースは、衝撃を分散し、脳震盪のリスクを軽減する効果があるとされています。
快適なフィット感
個別に作製されたマウスピースは、口内にしっかりとフィットし、スポーツ中でも邪魔にならず、パフォーマンスに影響を与えません。
呼吸や話しやすさの向上
カスタムメイドのマウスピースは、呼吸や話すことが容易で、競技中のコミュニケーションにも支障をきたしません。
スポーツ用マウスピースの作製の流れ
スポーツ用マウスピースの作製は、以下のステップで行われます。
STEP1 診断とカウンセリング
歯科医師がスポーツの種類や口腔内の状態を確認し、適切なマウスピースのタイプを提案します。
STEP2 型取り
患者様の歯や口腔内の形状に合わせて精密な型を取ります。
これにより、フィット感の良いマウスピースが作製されます。
STEP3 マウスピースの作製
型を基に、歯科技工所で個別にカスタムメイドのマウスピースを作製します。
STEP4 フィッティングと調整
完成したマウスピースを実際に装着し、フィット感や快適さを確認します。
必要に応じて微調整が行われます。
STEP5 使用とメンテナンス
使用方法やメンテナンス方法について説明を受け、適切に使用することで長持ちさせることができます。
スポーツ用マウスピースよくある質問Q&A
Q スポーツ用マウスピースはどのスポーツで必要ですか?
特にラグビー、ボクシング、サッカー、バスケットボール、アイスホッケーなどのコンタクトスポーツや、スケートボードやBMXなどの激しい動きが伴うスポーツで使用を推奨しています。
Q 市販のマウスピースとカスタムメイドの違いは何ですか?
市販のマウスピースは汎用的に作られており、フィット感や保護効果が劣る場合があります。
カスタムメイドのマウスピースは個別に作製されるため、フィット感が良く、より高い保護効果を提供します。
Q スポーツ用マウスピースはどのくらいの頻度で交換する必要がありますか?
使用頻度やスポーツの種類によりますが、一般的には1年に1回の交換が推奨されます。
また、成長期の子供の場合は、歯の成長に伴って頻繁に交換が必要です。
Q マウスピースの手入れ方法は?
使用後は流水で洗い、専用のケースに保管します。
また、定期的に専用の洗浄剤を使用して清潔に保つことが重要です。
Q スポーツ用のマウスピース(マウスガード)は、保険適用されますか?
一般的に、スポーツ用のマウスピース(マウスガード)は保険適用されません。
これは、スポーツ用マウスピースは治療目的ではなく、予防や保護を目的としているためです。
そのため、費用は通常10,000円以上かかることが多いです。
ただし、子供や学生がスポーツで使用する場合、特定の条件下で保険が適用される可能性がありますので、詳細は歯科医院にご相談ください。
マウスピースの費用は?保険適用?
歯ぎしり用のマウスピース(ナイトガード)は、保険適用です。患者様の自己負担額は約3,000円から5,000円程度となります。
ただし、予防目的で作製する場合などは保険適用にはなりませんのでご注意ください。
また、マウスピースは定期的にチェックすることが重要です。使用しているうちに穴が開いたり、摩耗したりすることがあるため、半年に一度程度、歯科医院で状態を確認してもらうことをお勧めします。
半年が経過すると、再び保険適用で新しいマウスピースを作製することができます。
スポーツ用のマウスピースは治療目的ではないため、保険適用外です。
費用は通常10,000円以上かかることが多いです。使用する色でも金額が変わります。スポーツによっては使用できない色もあるのでご注意ください。
マウスピースの価格や保険の適用範囲は、作製の目的や患者様の状態によって異なります。
どのタイプのマウスピースが最適か、費用に関する詳細は、歯科医院でご相談ください。
まとめ
歯ぎしり用のマウスピース(ナイトガード)とスポーツ用のマウスピース(マウスガード)は、それぞれ異なる目的に応じた口腔保護のための重要なツールです。
歯ぎしりによる歯や顎へのダメージを防ぎ、日常生活の質を向上させるナイトガード。スポーツ中の衝撃から歯や顎を守り、安全に競技を楽しむためのマウスガード。
どちらも、あなたの健康と安全を守るための効果的な手段です。
特に歯科医院で作製するマウスピースは、あなたの口腔内にぴったりとフィットするようにオーダーメイドで作られるため、快適な装着感と高い保護効果が得られます。市販のマウスピースでは得られない精密な調整が可能で、長期的に安定した効果を発揮します。
さらに、歯科医師による定期的なチェックやメンテナンスを受けることで、マウスピースの状態を最適に保つことができます。
自身のニーズに合ったマウスピースを選び、適切に使用することで、より快適で安心な生活やスポーツ活動を送ることができます。
マウスピースについての疑問や不安がある場合は、ぜひ歯科医院にご相談ください。