予防歯科
preventive-dentistry病気の最良の治療は、病気になる前に防ぐことです。これは歯科でも同じ。
虫歯や歯周病を未然に防ぐためには毎日の歯みがきはもちろん、歯科医院での定期的なクリーニングや健診が重要です。
✓虫歯予防や歯みがき
こんな悩みはありませんか?
✓毎日歯みがきしているのに虫歯になった。
✓ちゃんと歯みがきをしていのに歯周病がよくならない。
予防歯科とは
虫歯や歯周病の原因は、歯垢(プラーク)の中にいる細菌です。
毎日しっかり歯みがきをしていれば虫歯や歯周病を防ぐことができます。
しかし、どんなにちゃんとみがいているつもりでもみがき残しはあるものです。
そうしたセルフケアだけでは落とし切れない着色や歯垢(プラーク)などに対し、PMTCと呼ばれる歯のクリーニングや歯みがき指導、フッ素塗布などを行い、虫歯や歯周病を防ぐのが予防歯科です。
虫歯や歯周病を予防するには、毎日のセルフケアに加え、歯科医院で歯のクリーニングがおすすめ。
歯ブラシでは落とせない着色や歯垢(プラーク)を除去して汚れをつきにくくし、虫歯や歯周病の予防につなげます。
歯のクリーニングには、保険適用の歯のクリーニングと保険が適用されないPMTCがあります。
保険適用の歯のクリーニング
歯のクリーニングは、保険を使っておこなうこともできます。だたし、誰もが受けられるわけではありません。歯周病と診断された場合の治療の一環としておこなわれます。
保険適用の歯のクリーニングは、スケーリングと呼ばれる歯石除去が主になります。ある程度歯についた着色汚れも落とすことは可能ですが、審美面の向上を目指すPMTCに比べ、完璧ではありません。
また、歯周病治療の経過観察をする必要があるため、複数回の来院が必要になります。1度にすべての歯をクリーニングすることができず、2~4回に分けてクリーニングします。
保険適用の歯のクリーニングの流れ
STEP1 歯周病の検査・診断
歯と歯茎の間に針のような計測器具を刺し、歯周ポケットの深さを測ります。
STEP2 歯石除去
超音波スケーラーで歯石を落とします。
STEP3 ルートプレーニング
歯石が歯茎の中に入り込んでいるような場合は、スケーリング後、歯肉の中の歯石を除去するルートプレーニングをおこないます。ルートプレーニングをおこなう際は局所麻酔を使うのが一般的です。
歯のクリーニング(PMTC)
PMTCとは、プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニングの略。歯科医院専用の機械と薬剤を使い、歯のプロがおこなうお口のなかのクリーニングです。
PMTCは、普段の歯みがきでは落としきれない歯の裏側や奥歯、歯と歯のすき間などの汚れや着色にもアプローチ。お口の隅々まできれいに、虫歯や歯周病の予防につなげます。
PMTCの流れ
STEP1 歯周病・汚れ具合の検査
STEP2 歯石除去
歯ぐきの下に潜んでいる歯石も除去します。
STEP3 着色除去
こびりついた茶渋やタバコのヤニなどの汚れを落とします。
STEP4 歯面研磨Ⅰ
フッ素入りのペーストを使用して歯を1本1本ブラッシングします。
STEP5 歯面研磨Ⅱ
ラバーのカップを使用して歯面をみがき上げることによって汚れを付きにくくします。
PMTCよくある質問
Q PMTCは痛くないですか?
A 歯のクリーニング専用に開発された特殊なブラシやラバーのカップなど、やわらかい素材のものを使うので、痛みはありません。
Q PMTCはどれくらいの間隔でおこなうといいですか?
A お口の中の状態により異なりますが、3~6か月に1度の間隔でPMTCをおこなうことをおすすめします。1回の施術時間は約1時間です。
Q 保険は適応されますか?
A PMTCは保険適応外となります。なお、初診時の診査・診断は保険適応となります。
保険適用歯のクリーニングとPMTCの違い
保険適用のクリーニングは、歯や歯ぐきの診断をおこなった後、歯科医師が必要性を認めた場合の治療となります。
ですから、保険適用でクリーニングをおこなうには、まずは歯周病の検査、診断が必要です。歯と歯ぐきの間に針のような計測器具を刺し、歯周ポケットの深さを測ります。歯周ポケットが4mm未満であれば歯周病ではなく、保険適用のクリーニングはできません。
保険適用のクリーニングは、主に超音波スケーラーという器具を使い、歯石を破壊して落としていきます。超音波スケーラーが届きにくい細かい部分は、ハンドスケーラーを用いて手作業で除去します。
一方PMTCは、保険は適用されません、しかし、治療時間が長く、歯石はもちろん、茶渋やヤニなどもきれいに落とせます。
保険適用歯のクリーニング
①治療時間は15~30分程度。
②複数回来院が必要。
③歯石を除去するのがメイン。
④茶渋やヤニなどは落とせない。
PMTC
①治療時間は約1時間。
②1度の来院ですべての歯をきれいにできる。
③歯石はもちろん、茶渋やヤニも落とせる。
④時間をかけてていねいにおこなうので汚れをきれいに除去できる。
唾液検査
唾液検査とは、専用の器具で採取した唾液を専用の機械で分析し、虫歯や歯周病菌のリスクを数値に表す検査です。
唾液には平常時でも多くの菌が含まれています。その種類や総数などを調べることで、お口の状態をチェックし、虫歯や歯周病のかかりやすさがわかります。
唾液を採取してから結果がわかるまでは簡易的なものであればその場で、長くても2週間程度で完了します。リスクの評価後は、歯みがきのしかたや食生活の見直しなど、患者様に合わせてそれぞれの口内環境をコントロールするためのケアプランを組み立てます。
唾液検査の流れ
STEP1 唾液摂取
専用の器具で唾液を摂取します。
STEP2 検査結果の分析
摂取した唾液を専用の機械で分析し、リスクを評価します。
唾液検査よくある質問
Q 唾液検査でどんなことがわかりますか?
A 唾液の中の虫歯菌の数、酸性度などをチェックし、虫歯や歯周病にかかるリスクを明らかにできます。
そうした結果をもとに、おひとりおひとりに合わせたケアプランを立て、虫歯や歯周病を予防していきます。
Q 唾液検査の際に気をつけることはありますか?
A 正しい数値を得るために、検査前1時間は飲食、喫煙、歯みがきを控えてください。
また、検査の5~6時間前から殺菌作用のある歯みがき剤や洗口液の使用を控えてください。
歯みがき指導
お口のなかの状態は千差万別。
当院では、歯並びや歯垢(プラーク)の付着状況など、患者様のお口のなかの状態を把握し、ひとりひとりに合った歯みがきのしかたをアドバイスします。
具体的には、歯ブラシの選び方から持ち方、力の入れ方、補助的な清掃用具(デンタルフロス、歯間ブラシなど)の使いかたなど。毎日の歯みがきの効果がグッと上がるよう、ていねいに指導いたします。
どんなに歯や歯周病の治療をしても、日々の歯みがきができていなければまた虫歯ができたり、歯周病が再発症したりするリスクが高まります。歯科医院での定期的なクリーニングはもちろん大切ですが、お口の汚れをご自身で毎日しっかり落とすことが予防歯科の第一歩です。
歯科医院でおひとりおひとりに適した歯みがきのしかたをマスターし、日々のセルフケアにお役立ててください。
【Q&A】
歯みがき指導よくある質問
Q 毎日歯みがきをしているのに虫歯になるのはなぜ?
A 毎日ちゃんとみがいているつもりでも、歯の裏側やすき間、歯と歯ぐきの境い目などにみがき残しがあるものです。そうしたみがき残しが虫歯の原因になります。みがき残しをなくすには自己流の歯みがきではなく、歯科医院で歯みがき指導を受け、ご自身にあった歯みがきのしかたを覚えることが大切です。
Q 歯みがき剤は必要ですか?
A 最近はフッ素やプラーク(歯垢)を分解する酵素が配合されている歯みがき剤が市販されています。それなりの効果があると思いますが、ここで大切なのはご自身に合った歯ブラシを選択し、正しい歯みがき方法を身につけているかどうか。歯みがき剤の清涼感でみがけていないのにみがいた気分になってしまっては逆効果です。
Q 歯ブラシはいつ交換したらいいですか?
A 歯ブラシは消耗品です。劣化した歯ブラシでみがいても汚れが十分に取れないことがあります。衛生面から考えても、1か月に1本を目安に交換するのが望ましいです。
まとめ
虫歯や歯周病の治療は大切です。そして、それ以上に大切なのが、虫歯や歯周病にならないようにする予防歯科。
歯のクリーニングや毎日の歯みがきで歯垢(プルーク)を除去し、虫歯や歯周病を予防しましょう。
さらに、ご自身の口腔内の状態、虫歯や歯周病のなりやすさを把握し、虫歯や歯周病を予防するための唾液検査も有効です。
何かご質問やお困りのことがありましたら、当院スタッフまでお気軽にご相談ください。
クリーニング(PMTC)はごお電話にて予約の上来院ください。