歯科用語集 -カ行
terminology-02カ
開咬(かいこう)
奥歯をかみしめた状態にもかかわらず、前歯などの上下の歯がかみ合わずに開いたままの状態になる症状のこと。原因は主に口で呼吸をする、指をしゃぶる、舌を出すクセがある、などです。オープンバイトともいう。
開口器(かいこうき)
口腔内を診査、治療する際、患者が開口状態にする器具。
潰瘍(かいよう)
皮膚や粘膜などの表層が傷ついたり、ただれて崩れ落ちたりして、欠損を生じた状態をいう。
顎関節症(がくかんせつしょう)
物をかんだり、口を開閉したりする際に、咀嚼筋に痛みや違和感を覚えること。精神的ストレス、疲労、かみ合わせの異常などが原因といわれているが、歯ぎしりなども大きな原因といわれている。
顎変形症
上あご(上顎骨)や下あご(下顎骨)の形や大きさの異常、両者のバランスによるかみ合わせの異常(咬合不正)と顔の変形などの症状を示す。顎変形症の発生には遺伝的な要素が強いといわれているが、ほとんどは原因不明。指しゃぶりや舌を出す癖なども発生要因とする説もある。出っ歯、受け口、しゃべりにくい、顎関節の痛みや口が閉じられない、もしくは開けにくいなどの症状がある。
架工義歯(かこうぎし)
部分的に歯が欠如している場所へ人工の歯を補うこと。一般的にはブリッジと呼ばれる。土台となる支台装置、義歯と土台をつなげる役目の連結部、それに義歯となる架工歯で構成されている。
過剰歯(かじょうし)
通常生える、32本(親知らずを含める)の歯以外に生える余分な歯のこと。
仮封材(かふうざい)
治療中、虫歯を除去した穴に詰め物やかぶせ物を入れるまで、一次的に詰める仮の詰め物。
かぶせ物(かぶせもの)
金属やセラミックを材料とした、歯を覆いかぶせるものをいう。
かみ合わせ
上下の歯の接触関係のこと。咬合ともいう。
ガミースマイル
笑ったときに上部の歯ぐきが大部分見えてしまうこと。原因はさまざまで、骨格、歯並び、筋肉や皮膚を引き上げる力が強すぎるなどの原因がある。矯正歯科治療などによって改善が見込める。
仮歯(かりば)
前歯の治療中などに、かぶせ物が入るまでの間に入れる仮の歯のこと。テックまたはテンポラリークラウンともいう。
カンジダ
真菌の一種であるカンジダ菌による口腔内疾患のひとつ。乳幼児や高齢者に多く見られる。加齢、ステロイドの使用、がん、化学療法中のほか、唾液量低下や義歯の不良なども起因している。口の中が白い膜で覆われたり、びらんや痛みなどが出現したりする。
キ
義歯
折れてしまったり、抜けたりしてしまった歯の代わりに補う人工の歯。いわゆる入れ歯のこと。
矯正歯科
歯科における診療科目のひとつ。悪い状態の歯並びをワイヤーなどの矯正器具などを使用し、正常な位置に移動させる治療を行う。また、顎骨の位置を変更してかみ合わせをよくするような治療を行う。
キシリトール
トウモロコシに含まれるキシランという多糖を加水分解し、得られたキシロースを還元して作られる。砂糖と同じぐらいの甘さがあるが、歯に付着した歯垢(プラーク)の細菌によって虫歯の原因である酸に分解されにくいので、虫歯を起こしにくい天然甘味料。
臼歯(きゅうし)
ものを臼のようにすりつぶす奥歯のこと。乳歯では上下左右に2本ずつある。永久歯では上下左右合わせて小臼歯8本、大臼歯8本の合計16本(親知らずを入れると20本)ある。
キュレット
主に歯の根の部分や磨きにくい部分についている歯石を取り除くために使われる治療器具。
局所麻酔(きょくしょますい)
治療をする部分だけに直接麻酔を注射して痛みをなくす、体への負担が少ない麻酔方法。
金銀パラジウム
保険が適応される金属製の詰め物の素材。いわゆる銀歯といわれているもの。金属という性質上その強度が高く、一度治療を行えば長期間そのままの状態を維持することができる。ただ、見た目が悪いのがデメリット。また、金属アレルギー反応を起こし、使えない人もいる。
金属アレルギー
金属が原因で起こるアレルギーのこと。
金属床(きんぞくしょう)
入歯の土台部分に金属を使用した入歯のこと。通常よりも丈夫なうえに、薄く作ることができるので違和感が少ない。
銀歯
金銀パラジウム合金のこと。パラジウム、銀、金、銅、イリジウム、インジウムなどが混ざっている。保険が適用されるので安価。一方で、見た目がよくない、金属アレルギーを起こすリスクなどがある。
ク
食いしばり
食いしばりとはクレンチング症候群ともいわれ、上下の歯で強くかみ合わせることをいう。主にストレスなどの精神的要因が食いしばりを引き起こすといわれている。
くさび状欠損
歯頚部(歯と歯肉の境目周辺)のエナメル質がすり減ったり、欠けてしまったりしていること。進行すると内側の象牙質が露出し、知覚過敏が起こる場合がある。
クラウン
歯の全体を覆うかぶせ物のこと。歯の神経治療などで削った部分が大きく、詰め物ができない場合に使用される。
クラスプ
部分床義歯(部分入れ歯)を構成するひとつ。入れ歯を作るとき、残っている歯に引っかけて入れ歯を安定させる。
グルカン
虫歯の原因となる「ミュータンス菌」が糖質を分解して作る、ネバネバした物質。
ケ
外科矯正
矯正装置だけの治療では治らなかった歯並びやかみ合わせをあごの外科手術を組み合わせて顔のバランスや口元の形を整える治療。
欠損
歯が抜けてしまった状態のこと、失われてしまった部分のこと。
犬歯
正中から三番目の永久歯のこと。一般的に「糸切り歯」とも呼ばれる。
コ
コア
歯の神経治療などで、かぶせ物をする歯を補強するためのもの。金属やプラスチック素材のものが主流。メタルコア、レジンコア、ファイバーコアなどがある。
口蓋(こうがい)
上あごの天井部分のこと。
口蓋裂(こうがいれつ)
胎児期初期に上あごをつくる部分が癒合せずに、口蓋が裂けた状態で生まれてくる病気のこと。
口角炎(こうかくえん)
唇の両端に亀裂や腫れ、炎症などができる皮膚疾患。
咬筋(こうきん)
咀嚼(そしゃく)筋のひとつで、頬骨と下顎骨に付着していて、下顎を引き上げて歯を咬み合わせる働きをする。
口腔(こうくう)
口唇から軟口蓋(のどの手前)までの範囲のこと。
口蓋裂(こうがいれつ)
口蓋に割れ目がある状態のこと。
口腔がん(こうくうがん)
口腔内にできるがんのこと。舌にできる舌がん、舌と歯ぐきの間にできる口腔底がん、歯ぐきにできる歯肉がん、頬の内側の粘膜にできる頬粘膜がん、口内上顎部分にできる硬口蓋がんなどがある。現在、口腔癌の中でもっとも発症しやすいのは舌がん。口腔がん自体は珍しいがんで、身体全体での癌発症率は1~2%程度。
口腔ケア
口腔の疾病予防(虫歯、歯周病など)、歯と口の健康保持及び予防推進、リハビリテーション等によりQOL(quality of life)の向上を目指した総合的な歯科医療と介護のこと。
口腔外科
口腔と顎、そして顔面付近の疾患を取り扱う診療科。歯そのものの治療より、外科処置を中心とした口腔や顎、顔面付近の疾患の治療が行われる。
咬合(こうごう)
かみ合わせのこと。
咬合器
型取りから歯のかみ合わせを再現して製作した装置のこと。かぶせ物やブリッジなどを作るときにも製作する。
咬合調整(こうごうちょうせい)
かみ合わせのバランスが悪く、一部の歯に必要以上の負担がかかってしまっている場合に歯を少し削ることによって、噛み合わせを調整すること。
交叉咬合(こうさこうごう)
不正咬合の一種。上下の歯列が前後に、あるいは頬側と舌側で交叉する噛み合わせをいう。別名「クロスバイト」。交叉する場所は一箇所だったり、数箇所だったりする。
硬質レジン
歯の詰め物やかぶせ物によく使われる、プラスチック樹脂。
口唇ヘルペス
唇のまわりなどに水泡ができてしまう感染症。疲労やストレスなどで免疫力が低下している時にかかりやすい。
口内炎
頬の内側や歯ぐきなどの口の中やそのまわりの粘膜に起こる炎症の総称。
咬耗(こうもう)
歯と歯が繰り返し接触することやブラッシングなどにより、エナメル質および象牙質の一部が消耗すること。
根管充填(こんかんじゅうてん)
根管処置が終わった所に、専用の充填剤を詰めること。
根管治療(こんかんちりょう)
歯の根の管を根管(こんかん)といい、通常根管の中には神経があり、虫歯が進行し神経まで達して痛みが強くなると、根管内の神経を取り除く必要がある。神経を取った後、根管内を消毒し、薬を詰めて細菌が入り込まないようにすることを根管治療という。
混合歯列(こんごうしれつ)
乳歯と永久歯が混合して生えていること。
コンポジットレジン
白いプラスチック素材の詰め物。虫歯を除去したあとペースト状のプラスチック樹脂を歯に直接注入し、専用のLED照射器で強固に固めて虫歯治療を行う。